親が亡くなって相続が発生した場合は、さまざまな手続きや作業が必要になります。そのなかでも、とくに慎重さを求められるのが遺品の片付けです。
価値のある遺品だけなら問題ありませんが、借金のような負の遺産も相続の対象となります。そのため、場合によっては、相続放棄を検討することもあるでしょう。
しかし、遺品の片付けに着手すると相続放棄を認められないこともあるので注意が必要です。そこで今回は、相続の片付け方法や注意点などについて詳しく解説していきます。
相続の片付けとは
親が亡くなった場合には、葬儀後に遺品を片付ける必要があります。ただし、「片付けの方法」や「誰が片づけるのか」などは、状況によって変わってきます。
相続の片付けは同居と別居で異なる
故人が家族と同居していた場合は、急いで遺品整理をする必要はありません。一周忌や三回忌といった法事などの際に、親族で遺品整理をするのも、ひとつの方法でしょう。
故人が一人暮らしだった場合には、早急に片付けをする必要があります。家を手放すのか、相続して引き継ぐのかなどを親族で話し合ったうえで早めに片付けを進めましょう。
片付けを行うのは相続人
遺品の片付けを行なうのは、遺品を引き継ぐ相続人です。基本的には、故人の子供や孫が該当します。しかし、遺品の整理は大きな作業となるため、相続人だけで片付けをするのは困難です。このような場合には、相続人の身内と協力して進めることとなります。
ただし、相続放棄をする場合には、遺品の片付けをしてはいけません。片付けをすると相続放棄が認められなくなることがあるので注意してください。
相続による遺品の片付け手順
相続による遺品の片付け手順は、下記のとおりです。
1.遺言書と相続財産を確認する
2.分担を決めて効率的に片づける
3.遺品を分別する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
遺言書と相続財産を確認する
まずは、遺言書と相続財産を確認します。遺言書がある場合は、その内容に従って遺品整理を進めなければいけません。
故人が親族に何も告げず遺言書を残していることもあるので、机の引き出しや金庫などに遺言書が残されていないかどうかを確認しましょう。
遺言書と併せて相続財産も確認します。相続財産となる主な物品は、下記のとおりです。
・現金
・預金通帳
・有価証券
・生命保険証券
・不動産
・年金手帳
・芸術品
など
価値のあるものだけではなく、借用書といった負の遺産が出てくることもあります。負の書類は棚や引き出しなどに隠されていることもあるので、入念にチェックしましょう。
分担を決めて効率的に片づける
遺言書や相続財産を確認したら、親族と片付けの分担・作業範囲を決めます。片付けをする担当場所を決めておけば、各自が責任を持って効率的に片付けられるようになります。
遺品を分別する
見つかった遺品は、「残すもの」「処分するもの」「形見分けするもの」などに分別していきます。処分する遺品は、「ゴミとして廃棄するもの」と「業者に買い取ってもらうもの」に分けましょう。
相続の片付けは専門業者に依頼するのもおすすめ
亡くなった人の部屋の片付けや遺品整理が難しい場合は、専門業者に依頼するのもひとつの方法です。片付けの作業をほとんど任せられるので、時間がないという人や、親族が目黒区の遠方に住んでいるという場合は、専門業者の利用を検討してみましょう。
遺品整理業者の選び方
遺品整理業者を選ぶ際の主なポイントは、次の3つです。
1.遺品整理士が在籍している業者を選ぶ
遺品整理士は、「一般社団法人遺品整理士認定協会」の認定資格です。遺品の整理には欠かせない資格ですが、この資格を持たずに営業している業者も少なくありません。
2.複数の業者から相見積もりをとる
相続の片付け費用は、業者によって異なります。たとえば、ワンルームの遺品整理でも3万円から8万円と幅があります。見積もりを複数の業者に依頼して、内容と料金に納得ができる業者を選びましょう。
3.作業実績と口コミを確認する
実績が少ない業者は、価値の高い遺品を不当に処理する恐れがあります。過去の実績だけではなく、利用した人の口コミもチェックしておくと安心です。
相続における片付けの注意点
相続の片付けでは、遺品の整理以外にも注意すべき点があります。
相続税を納付する
相続財産が高額になる場合は、相続税が発生します。税率や控除額は相続財産によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
相続税の納付期間は「故人が亡くなってから10ヶ月以内」です。納付についてわからないことがある場合は、税理士や弁護士などの専門家に相談してください。
亡くなった親の家に住む場合
亡くなった親名義の家に住む場合は、家の名義を親から自分に変更します。併せて、所有権移転の登記も行います。
名義変更をしないで住み続けると相続人全員の共有状態が続き、権利関係が複雑になるので注意してください。
相続放棄した場合の片付け
相続を放棄しても、家の管理責任は継続されます。しかし、放棄した財産は自分のものではないため、片付けることができません。このような場合は、相続財産管理人に家の管理を委託するのが一般的です。
相続の片付け費用は相続人が支払う
遺品整理の費用は相続人が支払います。賃貸物件の退去や原状回復にかかる費用も相続人の負担です。
相続人が複数いる場合の負担割合に決まりはありませんが、受け継ぐ財産の割合に応じて費用を按分するといった方法が最善でしょう。
まとめ
遺品の片付けは、相続問題にもかかわる作業なので、事前に手順や効率的な片付け方法を確認しておきましょう。トラブルを避けるためには、他の相続人と協力することも大切です。
ご自身での片付けが難しい場合には、専門業者への依頼も検討してみましょう。片付け太助では目黒区の相続片付けにも対応していますので、まずはお気軽にご相談ください。
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